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ドクター平賀のクリニック便りから
第 七 回 SARS 動物由来感染症
東京の郊外で、 しばしばハクビシンが目撃されますが、その都度、一時の話題で終わってきました。しかし、身近に出現すると、流石に緊張します。トウモロコシやアケビなど が好物で、枝に登って器用に皮をむき、果実だけを食べます。夜毎、畠に出没し、懐中電灯を当ててもひるまず、長いこわい顔をした大きな動物で、人間の方が ひるんでしまうといいます。このハクビシンが、最近、日本全国の住宅地に出没しているのです。 最近、にわかにハクビシンが注目されたのは、SARSウイルスとの関係が疑われたからです。中国のある地方では、ハクビシンを生食する風習があり、SARSとの関連が注目されたのです。 まだ、断定はされていませんが、中国で発生し、世界中を震かんさせた新しいウイルス病であるSARSは、ハクビシンなど、動物由来のウイルスが人に感染した可能性が極めて強いのです。 人類は多くの動 物と共存しております。各々の動物には固有の病気があり、種固有の病気が他の動物に感染して、時々問題を起こします。病気の原因は、寄生虫、リケッチャ、 細菌、ウイルスで、一般には寄生虫は動物からひとに、細菌は人から動物に、ウイルスは動物から人に感染します。 このなかで、自然宿主である動物から人に感染する病気を、特に動物由来感染症とよび、主に、脊椎動物から人へのウイルス感染が注目されています。 この十年に限っても、14の恐ろしい病気の流行がありました。 ベネズエラ出血熱はコットンラット、米国のハンタウイルス肺症候群はシカネズミ、オーストラリアのヘンドラウイルスとマレーシアのニパウイルス病はオオコ ウモリ、ブラジル出血熱はげっ歯類 、リフトロバレー熱はヒツジ、ヤギ、ウシ、ホンコン・インフルエンザとウェストナイル熱はトリのウイルスが原因です。 アフリカ各地で頻発しているエボラ出血熱、コンゴのマールブルク病および近年、全世界に広がったSARSの自然宿主は、まだ確定していません。 近年、アフリカや南米に住むワニが利根川に現れたり、錦蛇が都心に現れたり、小笠原では、アズノールと呼ぶ保護色のトカゲが大発生したりします。行政が捕獲に奔走しても、多くの場合、飼い主すら判らないのが現状です。 一方,日本には、年間1000頭のアライグマが入っていますが、米国では毎年6000頭のアライグマが狂犬病にかかり、大変な問題になっています。入っているといいますのは、日本では野生動物の輸入は原則、禁止されているからです。つまり、正規な輸入なら、検疫を行うのに、本来輸入されないものが入ってくるのですから、検疫は全く行われないのです。さらに、イヌの狂犬病予防接種の実効率が20%と言う推定もあります。 日本ではトリやサルの輸入はフリーです。唯一実効のある法律は犬の輸入だけで、 14日以上の係留が認められていますが、ロシア船が犬を乗せて来日し、上陸して放ち、これを日本人が買い取って飼うなどのことも日常的に起きています。また、南米では、日本人向けにあらゆるペットが揃うマーケットがあるとも言います。 幸い、エボラ出血熱もSARSも今のところは無傷でしたが、日本は何時までも無防備で、危機管理に無関心では居られません。 道玄坂 平賀クリニック 医学博士 平賀 勝利
SARSとは、Severe Acute Respiratory Syndromeの略で、日本語では重症急性呼吸器症候群と
いうそうです。文化、経済、人脈等の国際交流が盛んになると、良いことが沢山ある反面、犯罪は勿論、疾病も地球規模で発生することになります。ワクチンの
開発は早急のことながら、動植物の検疫を徹底してもらいたいものです。
むやみに野生動物に触れたりせず、海外旅行などで、身体の不調をきたしたら、自分を 安心させるためにも、すぐに健康診断を受けるようにしましょう。 Chieko F.
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